2019年08月17日

折原一【死仮面】

死仮面 (文春文庫)
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 夕食の席で突然死んだ夫は、名前も仕事もすべてが偽りだった。
 真実を求めて、妻は夫の残した小説を読み始める。それには奇妙な連続少年失踪事件が描かれていた。

 ストーカー化して元夫も絡んできて、ややこしいことになりますよ。
 てか、小説と現実がどんどん交差してきて、時間軸も怪しくなっていく。

 田舎の山奥にある謎の洋館とか、舞台もいかにもって感じで、いかにもって感じに怪しい人物も出てくるのだけど、じゃ、真実はどうなのってなると…。

 まぁ、この曖昧模糊なのを楽しむ小説なのだろう。
 にしても、ちょっと盛りすぎだよね。

 うん。
 詰め込み過ぎだ…な。




posted by mayumixxx at 17:33| Comment(0) | 雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ディーン・クーンツ【これほど昏い場所に】

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 FBI捜査官のジェーンは、自殺した夫の謎を探して旅を続けている。
 謎の自殺をしたのは夫だけではなく、そこに陰謀の影があった。

 と、本の裏に紹介みたいにあるので、実際なんで旅をしてるの、って話にはいるまでが長い。
 うーん。
 紹介ないとそれはそれで本を手に取るかといえば取らないだろうし、でも、こんな感じであるのはある意味ネタバレだよね。なんか、純粋に、ええええ、そういうことなの、ってびっくりしたかったな。
 
 で、まず大いなる敵はテクノロジーなのである。
 もう、完全なるプライバシーはこの世界にはないのかもしれないね。で、じんわり飼い慣らされていくんだろう。と、むしろそっち方向に軽く絶望するのである。

 とはいえ、ジェーンは強い。
 男の子の母親という設定が、彼女を地に足についたものに、揺るぎないものにしている。

 ディーン・クーンツはやっぱり面白い。
 
 <戦慄の真実>を知ることになる、んだけどそこまででもww
 でも、なんか続編がありそうなんだけど。
 つか、なきゃだめでしょ。

 待ってます。






posted by mayumixxx at 17:23| Comment(0) | ホラー(翻訳) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

スティーブン・キング【ミスター・メルセデス】

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 キングが書いたミステリー。
 いきなり、エドガー賞、とってるよ。

 仕事を求める人の列の中に、暴走車がつっこみ多数の死者を残して立ち去る。事件は未解決のままであったが、担当していた退職刑事のもとに犯人からの挑戦状が届く。

 とりあえず、あれだ「雉も鳴かずば撃たれまい」だな。

 元刑事のホッジズは昔かたぎって感じで、昨今のアイテムに弱い。そこをフォローする高校生や、犯行に使われた車の持ち主の妹や、彼を助ける人物像がどれもいい。
 人の善良性や人生の光を信じている感じがある。
 だからこそ、犯人の醜悪さや闇に向かう心が、いやな汗のようにまとわりついてくるのだけどね。

 また、事件によって人生を狂わされた人々の哀れが切ない。
 
 昨今のミステリーは、犯人にもこういう事情があって、とちょっと同情的なものが多い気がするのだけど、そういうのはない。確かに、幸せな生い立ちとはいえない。が、それがどうした。犯人の罪と人となりは、とにかく醜悪だった。

 と、後半に向かって、急展開になっていくあたりは、さすがにキングって感じだった。
 が、そうきたか。
 そうなのと、ちょっと…。

 年齢重ねてキングも丸くなったと思っていたのにww

 実際、推理小説としてはどうなの、って思わないではい。基本、犯人がボロを出すって動きだからね。
 が、小説としては、群像小説としては、最高だと思う。

 続編もすでにあるみたなので、楽しみ!






posted by mayumixxx at 17:11| Comment(0) | ミステリー(翻訳) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月04日

青柳いづみこ【ピアニストたちの祝祭】

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 ピアニストから見た演奏会にまつわるエッセイ。

 ある時は演奏者で、ある時は観客で、と立場がかわると見方も聞き方も変わる。変わるけれど、変わらない部分もあってそれが新鮮。
 とはいえ、半ば仕事でコンサートを聞いているのだろうに、いつでも楽しんでいるのがすごい。
 
 本当に音楽が、ピアノが好きなんだな、っていうのが伝わってくる。

 ああ、そうか。
 これは、青柳いづみこという無垢を楽しむ本なのか、と思い至る。

 素敵だった。




posted by mayumixxx at 17:32| Comment(0) | エッセイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

冲方丁【十二人の死にたい子どもたち】

十二人の死にたい子どもたち (文春文庫)
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 自殺をするために、廃病院に集まった12人。
 そこには、予定外の一人の遺体があった。

 12人の〜 といえば、映画「12人の怒れる男」なんだろうなと思うし、それに対するリスペクトみたいなのも色々感じた。と、同時に、映画を見終わった時に、なんともいやな感じを思い出した。なんか、偏見で判決を下そうとする陪審員たちにちゃんと考えることを促して、正しいところにもっていくって話なんだけど、本当にそうなのかなって思っていた。多分、映画がつくられたころの価値観であればそれでいいのだ。正しいか正しくないか、その二択しかないから。
 でも、今日の価値観からすれば、無罪にもっていこうとする主人公のやり方も洗脳にちかいよね、って思ったりするのである。

 で、話しがそれているみただけど、「死にたい子どもたち」はそのあたりへのカタルシスがある。
 価値観は個々で違う。だからこそ、正しさも様々なのだ。

 ちょっと設定が無理矢理かなって思わないでもない。
 映画化したけど、むしろ舞台むきじゃないかなとも思う。
 
 ともあれ、思春期って面倒くさい。

 と、10代ではあるけれど、もう「子供」とは言えない登場人物たちを「子ども」としたのは、すごいと思う。
 自分たちが何もしらず、自分ひとりだけの足で立てているわけではないと、だからまだ「子ども」なのだと、自覚する物語であったのかもしれない。

 面白かった。






posted by mayumixxx at 17:23| Comment(0) | 文学ww邦人 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする